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『コンテンツマネジメント パーフェクトガイド』活用のヒント(1)

2007年12月18日 掲載

この本を読み進めるにあたって

本記事は、『コンテンツマネジメント パーフェクトガイド』 [mycom.co.jp](毎日コミュニケーションズ刊)を読み進めるにあたっての「とっかかり」や「活用のヒント」を提供していくことを目的としています。同時に、本書の中核を成しているテーマと解説を用いながら、情報マネジメント、コンテンツマネジメント、コンテンツマネジメントシステム(CMS)、それらに関連するプロジェクトの計画と実施に取り組む際に必要なことを整理し、それを理解する必要がある方々に向けてご提供していきたいと考えています。

ここで取りあげるさまざまなテーマを(できれば本書を片手に)読み解いていくことで、多くの方々にとって、これらの領域への理解が一段と促進されるに違いありません。

第1回目の今回は、本書の全体像を皆さんにとらえていただくための第一歩として、著者(ボブ・ボイコ氏)が本書の冒頭でも強調しているコンセプトや読者層についてお届けします。

本書のコンセプト

本書([基本・計画編] および [デザイン・構築編])は、以下の4つのコンセプトを中心に執筆されています。そしてこれらのコンセプトが、様々な背景を持つ読者向けて、何度も繰り返し様々な言葉で語られています。

少し抽象的すぎるでしょうか? まずは、情報やコンテンツというものを組織的に扱っていくためには、「組織の目的」「オーディエンス(組織が目的達成のためにターゲットにする人々)」「コンテンツマネジメントを行うための仕組み(つまり、CMS)やプロセス(収集、管理、発行)」などが、相互補完的に強く関連付いている必要があるということのみ、とらえておけばいいでしょう。

本書の目的は、これらのコンセプトを理解するための基礎を築き、コンテンツマネジメントの実践に確固とした方法論を提供することです。現時点でこれらのコンセプトに共感できるような背景を持つ方々だけでなく、今はまだこれらのコンセプトを明確にとらえにくいが、その意味は知りたい、興味がある、自分(または自分の組織)のものとして理解したい、理解する必然性がある、と考える方々にも役立つ実践書となっています。

本書の対象となる読者層

本書は、真剣に情報やコンテンツというものの本質にふれるべく対峙し、実践を伴う活動を視野におき、さらにその投資対効果を意識していくような読者を広範囲に想定しています。そういった方々がさまざまな役割を担いながら「情報」「コンテンツ」に取り組んでいくことこそが重要だといえるからです。

具体的には、本書の読者層と用途を以下のようにカテゴライズすることができます。読者自身(もしくは読者自身が含まれるチーム)のミッションや関心に合った箇所を見つける手がかりを見つけるために活用していただければと思います。

対象読者本書の用途
コンテンツマネジメント関連プロジェクトを担当している管理職者 これらの管理職者は、プロジェクトをどのように始めて、どうやって完結するのかを知っておく必要がある。
特にPart3 の「コンテンツマネジメントのプロジェクトを実施する」では、特に管理職者を直接的な読者対象が想定されている。
シニアレベルの管理職者 組織におけるEビジネス、ウェブ、コミュニケーション戦略を統括する立場にあり方も対象読者である。ネットでつながった世界でどのようにビジネスを営んでいくべきか、Eビジネスを推進するためのシステムを構築して運営できる組織をどのように作っていくべきかを知るための手がかりを得ることができる。
そういった方々には、本書の「はじめに」や、Part3 の「コンテンツマネジメントのプロジェクトを実施する」、その中でも特に、Chapter 14「組織の中で働く」、Chapter 15「CMS に向けて準備する」、Chapter 16「プロジェクト委任を確保する」などが役に立つ。
コンテンツマネジメントに関わる現場の実践者全般
たとえば、以下のような方々が対象
  • コンテンツ作成の担当者(ライターやエディター)
  • コンテンツ管理者(データベース管理者や情報管理者)
  • コンテンツパブリッシングの担当者(ウェブを含む発行物の現場責任者、設計者、編集や発行の担当者、ウェブデザイナー)
本書は、これらの人々に関係した実例、手法、解説を、豊富に紹介していく。ややもすれば自分の役割を狭くとらえてしまいがちな、これらの役割を持つ方々が、自分の仕事に対する視野を広げ、自分のしている仕事が大きな枠組みのどこに当てはまるのかを理解したいと思っている場合に役立つ。 特に、Chapter 18「論理的デザイン」および[デザイン・構築編]全体では、プロジェクトの実践者が知っておくと効果的な方法論や考え方、具体的な事例などが用意されている。
技術面の専門家やIT関連スタッフ
たとえば、以下のような方々が対象
  • プログラマ
  • システム全体の設計者
  • システムアドミニストレータ
Part5の「CMS を構築する」で言及する内容は、特に、自分のスキルがコンテンツマネジメントの幅広い枠組みでどこに当てはまるのかを理解する必要に迫られている、技術畑の人の興味に訴える内容となっている。
情報アーキテクト 高次の観点から、組織全体にわたる大規模なコンテンツマネジメント・プロジェクトの本質を理解したいと考えている情報アーキテクトの方たちには、Part4の「CMS をデザインする」で言及する内容が役立つ。
学生 ビジネス、技術、または情報科学を専攻していて、情報やコンテンツの管理というものの最新トレンドを学びたいと思っている学生たちにとって、「コンテンツマネジメント」は、将来的に重要な職業となる可能性がある。本書はそのためのよいリファレンスになる。 ビジネスアナリストやコンサルタント コンテンツマネジメントに関わる戦略について、学ぶ立場ではなく、アドバイスを求められる立場にある方々も対象になる。コンテンツマネジメントのように刻々と変化している分野では、標準的な情報ソースとなる参考書も少ない。本書は、クライアントを支援する立場にある人のためのリソースの1つになるに違いない。

本書で興味深いのは、著者自身が「本書はコンテンツマネジメントの完全なモデルを示すとともに、それを実践する際のガイドとなることも目指している」と語っているとおり、このカテゴリーが、実際にコンテンツマネジメントのプロジェクトを推進するうえでの「各マネージャーとスタッフの役割」として書内で用いられていることです。つまり、読者自身のミッションや職務と照らし合わせながら本書を読み進めることができるようになっています。

上表にもあるとおり、本書のPart3のChapter13「CMS のスタッフィング」では、コンテンツマネジメントのプロジェクトに関わる多くの役割とその領域(職務、職責)に関する解説が行われています。また、Part4のChapter 33「ワークフローとスタッフィングモデルをデザインする」では、それぞれの役割が、具体的な「ワークフロー」の考え方や事例に関連付けて詳述されています。組織内における体制全体を検討する際には、Chapter 14「組織の中で働く」がよいヒントを与えてくれるでしょう。

本書を読み進めるコツ?

カタカナ語と日本語の違いを問わず、本書では様々なことばが縦横に用いられています。また著者ならではの「ことば遊び」的な要素もふんだんに盛り込まれています。一般的な辞書に載っているような、読者に馴染みのあることばばかりではないため、最初は違和感を持つこともあるかもしれません。著者の言葉を借りるなら、「最初は違和感があっても、その言葉で意味しようとしているものごとを理解するように努めてほしい。そうするうちに、それらの言葉が自分のものとして浸透してくる」。これが、本書を読み進めるコツの1つです。様々なことばを自分の背景に合った語彙で解釈してみようと試みながら、何度も繰り返し出てくることばを一種の「記号」として目にしていくうちに、様々な概念の糸の絡まり具合いが見えてくるようになり、その糸を自分の手で解いたり、紡いだりできるようになってくるはずです。

とはいえ、すべての方々が(たとえ本書を購入したとしても)、膨大なページをめくりながら書籍全体をじっくり読み込む時間は持てないかもしれません。本記事では、そのような方々も想定し、できるだけ一般的なことばを使った、または分かりにくいことばや概念の解説を中心とした「超ダイジェスト版」としてもご利用いただけるものになればよいと思っています。本書の全体像を理解するための手がかりとして、毎回お届けする「今回のキーワード」も利用していただきたいと思います。

次回は、本書の全体像をとらえていただくためのポイント第2弾として、「データ」「情報」「コンテンツ」などといった基本的なことばの意味合いや、コンテンツマネジメントの基本プロセスについて解説していきます。

関連情報

今回のキーワード(五十音順)

オーディエンス、管理職者、コンテンツ、コンテンツマネジメント、コンテンツマネジメントシステム(CMS)、コンテンツマネジメントのプロジェクト、情報マネジメント、職務、職責、スタッフ、役割、論理的デザイン

本記事について

  • 本記事は、著者の許諾を得て、書籍『コンテンツマネジメント パーフェクトガイド』 [mycom.co.jp](毎日コミュニケーションズ刊)の内容を抜粋、加筆、再編集してご紹介するものです。
  • 本記事は、書籍『コンテンツマネジメント パーフェクトガイド』を片手に記事を読んでいただけるよう、もしくは、本書の購入を検討する際にその有用性を端的に理解していただけるよう、できる限り書籍内での関連箇所を明記しながら、同一の表現をとるように配慮しています。ただし編集上の都合により、それらが完全に保証されない場合もありますことを、ご了承ください。
  • 本記事中で「Part」「Chapter」として示される引用箇所と書籍全体との対応については、本書の目次をご覧ください。
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