本文へ

DESIGN IT! とは

ここから本文です

DESIGN IT!のテーマ

デザイン:構造・機能・美の計画

デザインという言葉には、意匠と計画という2つの意味があります。正確には、この2つの融合したものがデザインであり、1つの言葉では言い表しにくいからこそ外来語として定着してきたのでしょう。

デザイナーがアーティストと異なるのは、そこに計画という要素が加わるためです。つまりデザインにはクライアントがあり、目的と目標があり、残念ながら時間や資源の制約もあるというわけです。

また、古代ローマの大建築家ウィトルウィウスは、建築物が具有すべき要素を「構造・機能・美」の3つに要約しました。これはデザインの本質を見事に言い当てています。

デザインは、機能が不十分であれば使われず、構造が弱ければ維持できず、美的でなければ人に省みられません。

「構造・機能・美」を兼ね備えたデザインを、実現するための計画。それを実施する専門家は、デザイナーやエンジニア、マネージャーと呼ばれますが、彼らはすべてデザインという同じ課題に別々の側面から取り組んでいるわけです。

建築や機械の設計も、グラフィックの意匠も、ソフトウェアの設計も、そして事業の計画も、すべてデザインなのです。

トータルなビジネスのデザイン:DESIGN IT

今、インターネットに代表されるIT(情報技術)は革新を遂げ、ビジネスの環境を一変させると同時に、変化に対応するための環境を提供しています。企業から建築、メディアなどのすべてが、ITによってバーチャルにデザインされ、シミュレートされ、マネージされています。

このような状況の中で、今までに増して必要となってきていること、それは様々なデザインのITによる統合であり、IT化されたビジネスをデザインすること、です。 例えば、市場に受け入れられる製品やサービス商品の設計は、マーケティングや営業、あるいはサービスサポート、あるいは顧客自身との密なコミュニケーションを外しては成立しません。そして、それらは今、Webというメディアの上で協調して行われています。

つまり、デザインはいまや個々の専門領域に閉じた世界ではなく、様々なデザインとビジネスとの相互作用の中にあります。

ITを活用したデザインが、ビジネスにどのように貢献するかということはもちろん、ビジネスそのものをどのようにデザインしていくかということもまた、問われています。デザインは、IT化したビジネスの戦略そのものであるのです。

この両方の意味を含んだデザイン戦略を、私たちは「DESIGN IT」と呼ぶことにしました。

さらにビジネスから対象を拡げ、社会や生活の中に偏在するあらゆるもの(it)がデザインされ、それが下支えとなってほんとうの意味での「人にやさしい社会」を実現していきたい、という願いを込めたものでもあります。

DESIGN ITの創造を目ざして

極度に単純で汎用的な技術から出発したWebをはじめとするITは、まだ幼児期にあります。ITがその使命をビジネスにおいて達成するためには、新旧の様々な知恵と技術と戦略を、デザインによって融合する必要があります。ITはもっと賢くなければならず、もっと便利でなければならず、しっかりと情報を管理できなければならず、もっと美的でなければならず、そして何よりももっと使いやすくなければなりません。

そのために、私たちが重視している、6つのテーマがあります。

ストラテジー

ストラテジー

企業や組織が内外の要因を正確に捉え、市場の中で競争力をもち、イノベーションを起こし続けて差別化し、永続的に成長していくための戦略を構築します。

デザインマネジメント

デザインマネジメント

デザインによるイノベーション、組織のあり方、プロセス、分析方法などを通じ、デザインの考え方や諸活動をビジネスの中核として、デザインを戦略の中に位置づけます。

ユーザビリティ

ユーザビリティ

システムの利用品質を向上させるために、ユーザーの行動に着目し、反復的なテストと修正、そしてそれらを包含したデザインプロセス(UCD: ユーザー中心設計)に取り組みます。

インタラクション

インタラクション

人とコンピュータのダイナミックな対話を円滑にし、刺激的な体験とするために、創造性と工学技術を組み合わせて、迅速で正確な情報提示やユーザーの利便性を生み出します。

情報アーキテクチャ

情報アーキテクチャ

情報提供者と情報利用者双方の目的と利便性を分析して、最適な情報を提示するために、情報の組織化・ラベリング・ナビゲーション・検索を捉えて構造を組み上げます。

コンテンツマネジメント

コンテンツマネジメント

コンテンツを重要な資産と位置づけて最大限に活用するために、コンテンツの収集・管理・発信の3つのプロセスをトータルに捉え、一連のライフサイクルの中で情報を管理します。

私たちは、これらの6つのテーマに対して、実現テクノロジー(要素技術)、ソリューション、ユーザーの実践と評価手法、といった視点からアプローチし、現時点でのデザインITの姿とその発展方向を明らかにしていきたいと考えております。

「DESIGN IT! Conference」について

デザインITを考える場であり、機会であり、コミュニティが「DESIGN IT! Conference」です。

デザインITとは、出来合いのものではなく、それを必要とする人々が創造していくものです。デザインということに様々な立場で関わる(つまりすべての)人々の協力と参画を期待しております。