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UI短評:livedoorのリニューアル

2008年12月25日 掲載

DESIGN IT! magazine』vol.1のReview+Communication「UI短評」を掲載しています。

本欄では、最近の様々な製品・サービスの動向を、ユーザーインタフェース(UI) の視点からとりあげる。今回は、ここ数ヶ月で続けざまに行われた大手サイトのリニューアルにおけるUIの変化について、 重要と思われる点をいくつかとりあげてみた。

カテゴリ名を付けないという英断を敢行


多くの項目がゆるやかな基準で分類され、空行によりグループ化されている


旧トップでのカテゴリ名称はやや苦しい。
価格比較」は「買う」でも「マネー」でもなく「調べる」。

livedoor [livedoor.com]

livedoorは4月にトップページをリニューアルした。ブログの読み、書き、公開を明確にプッシュするトップページとなり、他のポータルサイトや検索エンジンサイトとの差別化が計られている。

レイアウトはこれまでの2カラムから3カラムになった。そのうち左カラムは130pxという比較的狭いカラムだ。

メインの変更点ではないのだが、この左カラムに収められた、主なコンテンツの一覧における表 現は特徴的だ。


名前のないカテゴリ

ポータルサイトはどこでも、実に多くのサービスやコンテンツをサイト内に持っており、それらへ様々 な方法で誘導を試みている。livedoorでは、これまではYahoo! Japanと同様、メインのカラムにコンテンツ一覧を置いていた。コンテンツの各項目は「調べる、買う、集まる、楽しむ、暮らす、マネー」というカテゴリ名の下に配置されていた。

今回のリニューアルで注目すべきは、このカテゴリ名の表記をやめた、という点だ。分類をしていな いのではない。全部で46のコンテンツ項目を9つのカテゴリに分けているのだが、カテゴリごとの見出しが付けられていない。これは、あえてそうしなかったのだと思われる。

カテゴリのネーミングは、分類をする以上に難しい。ある名称でイメージする意味の範囲が人によっ て大きく異ったり、必ずしもそのカテゴリに適切な名称が存在しない場合が少なくないからだ。無理に分類してしまうと、かえって分かりにくく、見つけにくくなる。大量の項目を一度に区別することは難しい。だが逆に、一定数以下の項目であれば一つひとつを個別に認識するのではなく、一度に把握してしまうことができる。ゆるやかに分類するだけにとどめて、タイトルを付けないという判断はなかなかできないものだが、この場合は英断だと言える。

(ソシオメディア)


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